
秋へ 四行の詩を添えるため


終わりのない沈黙
蝉は生命の根源となり太陽を隠しながら冬の雪を夏へと届けて夏の風となり雪の風となり人の思いすら崩壊させていく 終わらない沈黙が始まる
やまぼうし


冷たそうな雨が手向けられて登りつめたところには雲雀よりも空に近づく峠がある 空にやすらぎ、空からやすらう冷たさは祈りにも似ていた冷たな雨粒 尻尾のある雨が黒く沈むところ、太陽であり得る雨粒ですら土蜘蛛と寄り添う空が雨を揺らしている 太陽の輝きを辿り着かせる山嶺はいつまた自由であり得るなどとメモランダム、プロセス、備忘録に書き留められていく尻尾のある雨 黒く沈む太陽 握り締められた風のない乳母車 自由を揺るがせないメモランダム 備忘録に空白を花散らす花 雨を降らし空は人よりも自由にプロセスを歪めて陽を抉る 斜めに、斜めに構えて此処にある未明とは蒸気機関車 水色に染まる紫陽花を太らせる共食い 膨らませて萎ませて自由にあるべき人の心をカーニバルのように共生する苛立ち 夏の風から 冬の風から雨の風から 雪の風から生きようとする雨音はフラフープ 尻尾のない雨が一頻り 誰であれ束縛できない理性も沈黙は揺るがせない理性の海原 日毎嵐は静まり






